神経を取るってどういうこと?感染根管治療編
2017/12/17
冷たいものがしみる。温かいもので歯がズキズキする。
でも歯医者に行くのは怖い。。。
しばらく我慢しよう。
しばらくすると痛みが消えた!おっ?治った?
そんな経験をされた方いらっしゃいませんか?
これは治ったのではなく悪化してるんです。
でも痛みはなくなったし。。。
そこが勘違い!!痛みがなくなったのは神経が死んでしまって感覚がなくなってしまっているのです。
そのまま放置すれば間違いなく痛みが再発します。
今回はこのように神経が死んでしまっている場合の治療法について解説します。
Contents
神経が死んでしまう原因は?
①虫歯の進行
虫歯が進行すると神経にまで達します。
この状態では神経は生きてますので、冷たいものがしみたりする症状が現れます。
そこから虫歯はさらに進行し、歯を溶かすと同時に神経を侵していきます。
この時激しい痛みを伴います。
しかし、神経が完全に虫歯に侵され死んでしまうと感覚がなくなるので一度は痛みを感じなくなります。
②外傷
このケースの多くは前歯に見られます。
歯を強打すると、歯が抜け落ちてしまったり、一時的に亜脱臼といって半分抜けたような状態になることがあります。
このような状態になると歯の中に通っている神経と血管が断裂してしまいます。
若年者の場合、これらの神経や血管が修復されるケースもありますが修復が困難であった場合、断裂してしまった神経や血管は壊死を起こしてしまいます。
③重度の歯周病
このケースは逆行性歯髄炎と呼ばれます。
重度の歯周病により歯の周りの骨が大きく溶かされ、根の先まで骨がなくなってしまうとそこから細菌が進入し神経を侵し、神経が死んでしまうのです。
神経が死んでしまった場合の症状
①無症状
神経が死んでしまった場合、無症状に経過していくケースも多くありません。
歯医者に行って検査の結果、それが判明するケースです。
②物を咬んだ時の痛みや違和感
物を咬んだ時に他とは少し違う感じがしたり、痛みが出ることがあります。
これは、根っこの先まで神経が侵されており歯の周りの組織にまで炎症が及んでしまっていることをあらわしています。
③歯茎が腫れる
歯茎が腫れたり、歯茎にニキビのようなものができることがあります。
これは、歯の周りの組織に炎症が波及し、歯の周りの骨が溶かされ、排膿が起きている状態です。
ここまで進行すると、歯がグラグラしてきたり強い痛みを伴うことが多いです。
④歯の色が変わる
これは前歯ではっきりわかりますが、神経が死んでしまうと歯の色が黒く変色してきます。
ちょうどお笑い芸人の『箕輪はるか』さんの前歯がこの状態です。
治療方法
①神経は死んでいるので麻酔はしません。まずは虫歯の部分を慎重に削っていきます。
②神経の入り口(根管口)を明示して死んでしまっている神経を針(リーマーまたはファイル)きれいに取っていきます。
神経が死んでしまっている場合は神経に細菌が感染にして腐敗(腐っている)している状態です。
ですから神経を取るだけでは不十分で感染を起こしている部分を除去する必要があります。
これは根っこの中に挿入する針(リーマーまたはファイル)の太さを徐々に太くしていくことで感染している歯質を除去していきます。
③根っこの中をきれいにしたら根っこの中に薬を入れていきます。
中に入れるお薬は水酸化カルシウム系のお薬や揮発性のあるお薬など歯科医院によって異なります。
現在の歯科界では水酸化カルシウム系のお薬がベーシックになりつつありが、このお薬は効果が出るまでに時間がかかるため治療の期間が長くなってしまうといったデメリットもあります。
④根っこの中が殺菌されきれいになったら最終的なお薬をいれていきます。
長期安定性の高い材料(ガッタパーチャ)を詰めていきます。
これで根っこの治療はおしまいです。
最後に参考までに治療の映像をどうぞ。
まとめ
今回は神経が死んでしまったケースの治療についてでした。
神経が死ぬまで放置してしまうと治療の成功率はかなり低くなってしまいます。
虫歯・外傷・歯周病、様々な原因でそれは起こりますが早期発見・早期治療することで治療期間も短く、成功率も高くなります。